長男が小学校の入学式自体が延期になっている状態で、休校が延長となっています。個人的にはこれを機に、学校教育の在り方や柔軟性、必要性などについて議論されるのは良いことだと考えています。
私が住む岐阜市でもオンライン授業開催に向けた動きがあることは市長の会見からも読み取れる。そこで、まず公開されたのが、岐阜市の公式Youtubeチャンネルでの動画である。
授業の要点を端的に解説している点をみると、「授業」という名前で受けるものとは違うことがよくわかる。これは、授業動画ではなく授業要約動画と捉えるべきだろう。否定的な意味ではない。
こちらを視聴して1つの単元で必要な理解を深め、ドリルなどの反復演習に繋げて習得を目指すという流れと理解している。
しかし、これだけではなかなか難しい部分があるだろう。なぜならば、生徒の進捗を学校側が把握できないからだ。
動画を提供したからといっても、それを全生徒が確実に視聴したという確認はできない。また、反復演習を行ったか、考察を行ったかという付随する学習においても確認ができない。オンラインの難しさでもある。
かといって、一斉にオンライン授業をリアルタイムで行う下地は、残念ながら岐阜市民にはない。まず、オンライン授業に安定的にアクセスできる環境を全ての対象者が持っているわけではないという点がある。
インターネット接続環境という意味では、スマホなどの普及率は小・中学生保護者層では低くはない。しかし、100%ではない。
さらに、オンライン授業をリアルタイムで開催するとなると、長時間における安定的なインターネット接続環境が必要となるので、携帯電話回線だけでは心もとなく、費用面における負担もご想像の通りである。
では、どうしたらよいのだろうか。一個人として考えてみた。
3つのフェーズで教育を提供する
ここで話をするのは義務教育における教育提供について書いている。なので、高等教育以上は全く別であることはご理解いただきたい。(単位認定の仕組みなどから考えても)
まず、3つのフェーズに分けて対応していくことでオンラインを最大限活用した小中学校における教育提供を行うことができるのではないかと考える。
- 短時間でのリアルタイムオンライン接続で朝の会などを開催
- 体調などの確認(個人情報なので個別チャットなども活用できる)
- 本日取り組む授業や課題を明確にする(動画リンクや反復演習用PDFのリンク提供)
- オンライン動画を活用して要点を掴み、演習問題に挑戦する
- わからないところはLINEなどのツールを活用して画像でやりとり(質問も返答も画像)
- どんなペースでいつ取り組むかは個人に任せる
- クラスを4〜5つの生徒に分けて時差登校を行い、実際に顔を合わせて会話をして困っていることなどをヒアリングする
少し細かく解説してみる。
短時間でのリアルタイムオンライン接続で朝の会などを開催
こちらを短時間で開催するこにより、オンラインででも先生と生徒が顔を見ることができ、生徒の状況などを読み取れる情報が格段に増えるので、必要なフォローに気付きやすくなる。
また、その日に取り組む課題・科目の紹介や、それに必要な情報の共有なども声で伝えることができる。
そのために必要なこととして、情報のドキュメント化はとても大切なことです。課題を学習する上で必要な動画情報(URLなど)や反復演習のためのPDF情報(各自プリンターも必要になるのかな?タブレットがあればペンで書き込みも可能)を提供できるように用意しておく必要がある。
オンライン動画を活用して要点を掴み、演習問題に挑戦する
上記にて提供された情報をもとに、需要要点を解説したオンライン動画や演習問題に、各自のペースで取り組む。
しかし、新しい分野を学ぶ上で疑問に思うことは必ず起きることです。そういった部分をしっかりとケアしていくことが基礎教養においては必要だろう。
ですので、そういう部分をオンラインでどうやるか、なのですが単純に普及率を考えるとLINEなどを活用するべきだ。(Slackなどは使い方を覚えるのに時間がかかる)
クラスごとにグループなりビジネスアカウントを開設して情報を得られるようにする。グループで返信することで、同じような疑問を持っている子と情報を共有することができるし、ビジネスアカウントであれば直接指導を行うことも可能となる。
クラスで分けなくても学年でチャンネルを分けるだけでも良さそう。
クラスを4〜5つの生徒に分けて時差登校を行い、実際に顔を合わせて会話をして困っていることなどをヒアリングする
先日のニュースで、富山の小学校でクラスター発生かというものがありました。
やはり、現状まだまだ人が集まることで何が起きるのか分からない、予想できないというのが実情だ。
であれば、できる限り人が集まることは避けたい。保護者も学校側も同じようにリスクを取りたくない。
なので、クラスを4〜5分割して時間差登校を行う、各自1時間を上限に面談をして、日常困っていることをヒアリングするような機会を週に1〜2回設けることができると良いだろう。
そうすることで、教室に入る人数を大幅に少なくしながら、生徒と直接言葉をかわすことができるので良いかなと考えた。
まとめ
これはあくまでも、一人の素人が妄想程度に考えたアイデアですので、実現性云々の問題は果てしない。
しかし、現状のままではオンライン授業をYoutubeで公開しているだけなので、どのように生徒に利用されていて、どのような効果を得られて、どんな改善が必要なのかが把握しにくいだろう。
加えて、今の小・中学生はこれまでもYoutubeに接する機会が多い子もいると思う。そういう子たちが目が肥えている。俗に言われるYoutuberの動画を楽しんでいる。
高等数学をわかりやすく教えてくれる方もいますし、他にもレクチャー系Youtuberは大勢います。
それらに接したことがある子供達が、上記の動画を見た際にどんな印象を持つか考えてみる必要がある。個人的な感想ですが、なかなか魅力的には映らないかなと思う。
教育委員会または各学校の先生方のご尽力には敬服している。ですので、余計に公開場所にYoutubeを選んだ経緯や、動画の内容構成がどのようなプロセスを経て作られたのかというのは、再考する必要があるかもしれない。
そうしないと、より魅力的なコンテンツを公共教育機関として発信していくことは難しい。「市立小学校だから…」という言い訳を自ら言えない場所(Youtube)に動画を公開するのであれば余計に、だ。
今後、より改善されることは間違いないが、ぜひ若い市長の元で全国的にも真似をしたくなるような取り組み方法を検討していただきたい。そして、後世子供達が自分たちが非常事態時に受けた教育を誇り自慢できるような対応をしていただきたいと考えている。