長男の学校入学式が延長され、1ヶ月が経つ。そして、恐らくこのゴールデンウィークの最中に、今まで小出しで牽制してきた通り、国として非常事態宣言が延長されることになると思う。
そもそも、岐阜市では既に5月末日までの休校延長が決定しており、このゴールデンウィークの非常事態宣言延長に学校再開自体が影響を受けることはなさそうです。
4月から通常のように学校授業が開始できないということになって、岐阜市でも市の公式Youtubeチャンネルにて小中学校の先生方による動画の配信もスタートしました。
個人的には、とても素晴らしい取り組みを早い段階で公開できたことが、まずは素晴らしいと思います。
しかし、まだ終わりが見えない休校期間において、これらを活用した上で、どのように家庭において学習を進めていくかという点が課題となるでしょう。
実際、この動画の利用方法が明確に示されていません。(小学校単位で伝えられている情報も偏りがあると感じています)
- この動画を作った意図は何なにか
- どのように家庭学習に活用するべきなのか
- 学習成果・利用成果をどのように測るのか
といった点を明確に伝えないと、せっかく動画を作られたのに効果を十二分に発揮されることがないように感じます。
小中学校の先生方がオンライン授業教材を作る必要性
取り組みを始める当時にこのような判断は難しかったかもしれませんが、現時点では個人的には「作る必要はない」と考えています。
教科書通りに進めていかないといけないという制約があるのかもしれませんが、このような方法はどうかなと考えている。
前提として、
- オンライン動画を気兼ねなく閲覧できる家庭の割合が8割程度
- PC・タブレットなどの基本操作スキルが最低限備わっている
とした場合、
- 教材は既にオンライン上で提供されているものを活用する(Eテレ for School や Eテレキッズ、民間のサービスなど)
- 上記で足りない場合には民間サービスを行政が契約を結び、生徒が利用できるよう環境整備をする
まずは、これです。今は、インターネット上に有益なコンテンツは様々あります。先生方は自分たちで動画コンテンツを作るために様々な工夫をされていると思いますが、そのリソースを「授業に活用できる映像コンテンツを探す」ことに利用するべきです。作る労力と探す労力を天秤にかけてみれば、どちらが少なく済むかは一目瞭然でしょう。
そして、それでもどうしても見つけられないものに関しては、自作のコンテンツ(動画でなければならないわけではない)を作成することを考えれば良いでしょう。
それらが準備できたら、どのように見てもらうかカリキュラムを作ります。授業時間内に全てが完了する必要はなく、子供の進度に任せた進め方で良いと思います。
具体的には、
- 閲覧資料のタイトルとURLを記載
- 考えて欲しいこと、見つけて欲しいことなどを明確に事前提示する
という情報を提供します。そして、子供たちはそれに取り組みます。いつ取り組むかは子供達次第でしょう。期限だけ設定しておけば良いです。
取り組んだ内容はできるだけ先生に届けられる仕組みを作りましょう。方法としては、
- Googleフォームなどサービス利用(タイピングができる方が望ましい・画像ファイル送信はアカウントが必要な場合がある・簡単なテストも実施可能)
- 手書きのノートを写真撮影しメールで先生に送信(低学年でも親と一緒ならできそう)
こうすることで、生徒が取り組んだことを見ることができます。それに対して、フィードバックを返すこともできます。
ぜひ、先生方にはこのように、子供たちとのやりとりの部分にリソースを使っていただきたい。授業作りも大切だとは思いますが、家の中からなかなか自由に外出できない子供達はストレスが溜まっています。そんな不安定な状況にある子どもたち(今後益々増えていきと考えられる)とコミュニケーションを取ることを大切にして欲しいなと思います。
オンラインでホームルーム・相談教室
オンラインでのホームルーム(朝の会)を開催してみてはどうでしょうか?
Zoomなどで毎日決まった時間にアクセスして、みんなの声や顔を見ることができます。オンラインセミナーを日々開催している立場からいうと、大人が集まっても10人以上になるとコミュニケーションは疎かになります。ですので、クラスを分割して1週間で子供の顔を数回見れるようなサイクルが作れると良いでしょう。
日々困っていることなども聞けるかもしれませんし、なによりも友達の声が聞ける・話せるという時間が大切なのではないかと思います。
さらに、学校として1つ相談チャンネルのようなものをオンラインで持っておくことで、子供がフラッと相談しにアクセスできたりするのではないかと思います。そういった常時開設型のチャンネルは先生方も当番制で良いかと思います。常に誰かが来るわけではありませんし。
環境を提供することが「教育」ではないのでは?
どれだけ良質な教育環境を整備したとしても、それを受ける子供が受け入れられる状況になければ意味がありません。
また、本来先生というのは、環境を作ることが仕事ではなく、生徒とコミュニケーションを取ることが主な仕事だと僕は考えています。(それは授業の環境作りも多少は必要だとは思います)
今の状況を外部から見ていると、教科の内容を教えることに重きが行き過ぎて、生徒とコミュニケーションをどう取っていくのかという部分があまり考えられていない(まだこちらに伝わってきていないだけかもしれない)ような気がします。
ぜひ、このような状況下においても、子供と向き合っていただける環境も早期整備していただけると嬉しいです。後には学校へ行けない子供達への対応にも活用できるので無駄にはならないと思います。