長男の初めての小学校生活、1週間が終わった。彼の通う小学校では通学路ルート別で分散登校スケジュールが定められていて、最初の一週間は午前登校でした。
思っていたよりも嫌がることもなく、無事に登下校(保護者付き添いのもと)をすることができました。
登下校時のマスク着用についてのお知らせについて
金曜日に来週からの時間割などのお知らせをもらってきましたが、それらと一緒に「熱中症予防について(お願い)」というお知らせが配布されました。
その中には、児童が熱中症にならないために学校でどのような取り組みを行うか、また家庭からどんな働きかけをするべきかという案内が記載されていました。
学校側も様々な検討を重ねられて出された内容だということは承知していますが、以下のような記載がありました。学校特定を防ぐために言い回しは若干変えますが、
マスクの着用について
熱中症のリスクを避けるために、真夏など気温や湿度が高い日の登下校時には、マスクを外しても良いこととする。ただし、その際には「児童間の距離を2mほどあけて保護者同伴で登下校」する。
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このお知らせを正直に解読すると、登下校中にマスクを外すためには、児童個人の判断(正直、低学年児童に個々で熱中症予防や判断を行えというのは無理があるとは思うが)だけでは行えず、保護者が登下校時に同伴していないとマスクを外せないと理解することができます。
我が家は、僕の仕事を調整することで、登下校時に同伴することは可能だが、そのような対応ができる家庭ばかりではないはず。
「特に心配なのは低学年。暑さによる体調異変に気づきにくく、気づいても訴えられない子も多い」
登下校中のマスク、文科省「暑い日はむしろ危険」 児童間距離確保に「傘」利用も
こちらにも懸念されているが、熱中症自体、一度進行してしまうととても怖い症状なので、自ら「ちょっと調子悪いかも」と判断しにくい低学年児童は特に心配されます。
また、低学年、特に入学したばかりの児童の多くは「こうしなさい」と言われたことを、頑張って守ろうという意識が強く働く可能性も考えられるので、余計に自分の不調を主張しにくいバイアスがかかってしまわないか心配されます。
では、どうしたら良いのでしょうか。学校教育の素人が素人目線で考えてみます。
登下校時のソーシャルディスタンシング
子どもたちだけでソーシャルディスタンスを確保することは可能かどうか
一週間ですが、登下校を子供とともにしてみた感想としては、「子どもたちは各々距離を取って行動(登下校)する意識が低い」と感じます。
正直言って、子どもですのでしょうがないと思います。理解への深さも同学年内ですら様々でしょう。ですが、学校(文科省)は距離を保つ必要性があるという考えのもとでお知らせをされています。(私も必要性があると考えています)
小学校には6学年あり、1年生と6年生の様々なことに関する理解力というのは平均的に考えると大きな差があるということは否めません。ですので、ソーシャルディスタンスを確保するというルールの徹底を子どもたちの自主性に任せることは難しいと考えています。
傘の利用を推進してソーシャルディスタンスを確保する方法
上記したニュース内でも取り上げられていますが、天候に関わらず「傘」を使うことで、
- 直射日光を浴びることを防ぎ、熱中症予防を行う
- 傘がぶつからないように意識することが、ソーシャルディスタンスの確保に繋がる
という効果が得られるという考え方です。これはとても的を得ている対策だと考えられます。
登下校可能な時間を広げる方法
これは学校側職員の負担が増えることが懸念されるので、実現可能かどうかは僕には正しく判断できません。
現在、我が家長男が通っている小学校は、朝は7時50分に小学校玄関が解錠されます。それまで(僕が見た際には)児童は玄関に入るために列を作って並んでいました。ソーシャルディスタンスの確保はされていませんでした。(健康チェックを行う仕組みの中に、列を作る際の社会的距離の確保が含まれていないようでした)
その後、学校側から保護者メールにて「7時50分より前に学校へ来ないように」というお知らせがありました。列ができてしまうことを回避するためでしょう。
しかし、学校は8時15分には学校が始まり、学校側からのお知らせでも8時5分までには学校に来ましょうと言われています。
まだ慣れない学校ですので、教室に入り、ランドセルから荷物を出して、トイレに行って・・・と準備を急がずにできるようにと考えるのもおかしいことではないでしょう。
また、特に低学年は登校距離が長ければ長いほど、かかる時間が読みにくくなり(早く歩いたりゆっくり歩いたり、友達と話したり…と)、余裕を持って早く出ようとなるのは普通の考えかと思います。
そういった考え方や行動を推測すると、登校時間がある点に集中することは、現状止むを得ないと思います。
それらの問題を回避するためには、学校側の負担が増えることになりますが、玄関を開ける時間を早める対策も一つの方法になるかと思います。
それにより、特に登校時での通学路でのソーシャルディスタンスの確保がもう少し容易になるように感じます。
保護者が同伴する必要性とは?
マスクを外して登下校しても良い条件として「保護者が登下校に同伴する」というものがありましたが、これはどんな目的でそうなっているのか、明確なお知らせはありませんでした。
個人的に推測するに、
- 他の登校児童に「ちょっと離れて歩こうね」と促す?
- ソーシャルディスタンスを確保するために通学路以外を歩くため?
と考えました。保護者が同伴する目的とは一体何なのでしょうか?
現状を踏まえるとマスクを外して登下校はできない
上記した理由を諸々検討すると、登下校時にマスクを外すことはできないという結論が出てきます。
理由としては、
マスクの有無関係なく社会的距離を確保する意識が必要
保護者が同伴して自分の子どもに社会的距離を取るようには言えるけれど、周りも同様に意識してもらわないと成り立たないように感じます。
どれだけ保護者と子供で周りとの社会的距離を取りながら登校しようと思っても、周りも同様に距離を保つことを意識し行動していないと意味がないからです。
例えばですが
- 登下校時、横に並んで歩かない
- 登下校時、前の子との距離を2m以上空ける
この2つの約束をするだけでも違うかもしれません。ただし、このルールだけだとゆっくり歩く低学年児童で渋滞が発生することが考えられますので、打開策も必要です。
保護者が他の登校児童に社会的距離を指摘・助言することは難しい
一週間ですが、子供と登下校を共にして感じることは、登下校時の集団形成は自然に起こります。やむを得ないでしょう。
仮にそれを阻止するための役割として、上記にあるように保護者の同伴をルールに加えているようであれば、保護者の負担が大きいからです。
というのも、知らないおじさんに「もっと離れて歩こうね」とか言われるだけで「怖い」と感じる子もいると思います。昨今の状況から考えても、一保護者としてそういったリスクは負いたくないという気持ちがあります。
そもそも登下校時に同伴できる保護者ばかりではない
そもそも論になってしまいますが、保護者が同伴していないと、灼熱地獄の中の登下校時にマスクを外せないというルールが諸々の問題を生むような気がします。
そうではなく、まずは児童に社会的距離を確保する意識を持たせる。そして、その行動をとっても学校へ通える、家に帰られるという環境を作ってあげないといけないと思います。
ですので、やはり児童各々への家庭・学校内におけるソーシャルディスタンスを取ることへの理解を促す働きかけが大変強く必要だと感じます。
また、ソーシャルディスタンシングを自然に行えるような仕組みの導入の必要性も強く感じます。
通常登校になったらどうなるのか
現在、分散登校でこの状況です。これが通常登校になった場合に、朝の健康チェック時の密形成は必然な仕組みであり、これは予見できていることだと思います
また、下校時にも信号待ちなどによって、どうしても児童の集団形成がされてしまうため、密が今以上に発生することが考えられます。
現状、文部科学省や厚生労働省が提示している取り組みを実現するためには、児童個々に対する理解促進はどうしても家庭内での努力が必要となるでしょう。
また、その取り組みを行わなければ、学校でのクラスタ発生は遅かれ早かれの状況になることは間違い無いでしょう。