こういったニュースを見たので個人的な意見を記しておこうと思う。
まず、個人的には「選択登校制」という言葉を初めて聞いたので調べてみた。(話題から察すれば意味はわかるけども)
要するに、「教育(授業)を受ける場所を学校か自宅(他オンライン環境が用意出来る場所も含む?)か選択することができる」という取り組みと理解した。
そして、寝屋川市では以下のように公的にお知らせしています。
【選択登校制について】
本市では、自覚症状等による欠席だけでなく、保護者の判断による欠席についても、欠席扱いとしません。登校するか、自宅での学習とするかを選択することができます。
https://www.city.neyagawa.osaka.jp/topics/1590999859920.html
欠席した場合も、インターネット授業動画の視聴や学校から配布の学習課題とともに、個々の学習の進度に遅れが出ないよう、進捗状況等について、引き続き電話連絡により、きめ細やかな対策を実施してまいります。
オンラインでの学習も「出席」として扱うということが明記されている点も評価されているのでしょう。
これらについての是非や実現に向けた取り組み方法や運用の問題点などを考えてみましょう。以下、個人的な意見や考えとなります。
選択登校制の是非
とても素敵な取り組みだと思います。現状、こういった取り組みを必要としている方々というと、
- 基礎疾患等が理由で感染症感染が心配な児童
- 感染症感染が心配で登校に不安を抱える児童
- 様々な理由で学校に登校できない児童
が考えられるかと思います。
僕はこの中でも、この制度が今後も有益になるであろう対象は3番目の「様々な理由で学校に登校できない児童」であると考えていて、病気であったり、学校環境に馴染めず登校ができないなどといった児童が、教室に通うこととほぼ同等の教育をオンラインで受けることができるということが、とても有益と思います。
確かに、感染症が理由で教育を受けられない児童にとっても、等しく有益だと思います。しかし、新型コロナウイルスが流行する前から登校に不安を抱えていた児童というのは一定数存在していたという理由もあり、特にそういった児童にも有益だと思います。
「選択登校制」を支えるのはオンライン配信と管理
ここからは、選択登校制を実現するために必要なことを考えてみましょう。
まず、実現するためには、この制度の根幹でもある「授業のオンライン配信」を行う必要があります。そのために必要な設備として、
- 各教室へWebカメラとマイクの用意
- 配信を管理するソフトウェア
- 学校自体のネットワーク回線速度を確保する
設備を整えればすぐに実現できそうな気がしますが、最後に上げた「学校自体のネットワーク回線速度の確保」に問題がある場合、おそらく回線工事などが必要になるため、始動するまでに時間が必要になるケースがあります。
各教室へWebカメラとマイクの用意
予算などは考えずに理想論で書きますが、Webカメラもマイク(全方位型コンデンサマイクがベター?)も、教室内のどこかに机など場所を用意して撮影するような形だと、毎日環境が変わってしまう(片付けたり動かしたり)のであまり好ましくありません。
可能であれば、教室の天井から固定して吊り下げるような形が最適でしょう。そうすることで、最適な画面で日々撮影することが可能となります。
カメラ自体の性能は、どこまで写すかによるかなと思います。副次的な教材(PDFファイルなど)を用意できるのであれば、解像度などは妥協できるかもしれませんが、基本的に教室で行われている授業をオンラインで見れるようにするということが大切になると考えると、
また、テレビなどを活用した授業の場合に、その映像をどう扱うかという点では、著作権などの関係も発生すると思うので注意が必要となるでしょう。
配信を管理するソフトウェア
配信の仕組みをどうするかという点にもよるでしょう。専用のソフトウェアを導入したりすると、コストや導入までの時間も大きくかかることになります。
既存のサービスなどを活用するのであれば、動画公開サイトなどのライブストリーミング機能を活用するという方法があります。
手持ちのサーバーで配信することも技術的には可能ですが、トラフィックを確実に捌けなければ、授業を受けられないという状況が発生しかねませんので、専属のサーバー管理者を確保できないのであれば、主旨の性質上行うべきではないでしょう。
手軽な方法としては、
- 自校ウェブサイトにアカウントとパスワードで認証しログインできるページをクラスごとに作成
- そこにライブストリーミング動画を配置する
- 必要に応じて添付資料なども同一ページで管理する
といった感じでしょうか。細かい点は詰めないといけませんが、方法はなくはなさそうですね。
学校自体のネットワーク回線速度を確保する
各クラスがストリーミング配信を行うということは、それなりの規模の通信環境が必要となります。ですので、専門の方からのアドバイスは必ず必要になります。まず先に行うのは、この相談部分でしょう。
「ストリーミング」ではない方法
ストリーミングではない方法であれば、より簡単に実現することができるでしょう。
- 授業の様子を録画・録音
- 終わり次第、クラスのページ(ログイン認証必須)にアップロードされた動画URLと補足情報を掲載
- 後日、授業を受けて課題の提出を経て、授業への出席と認定する
この場合、課題の提出もオンラインで行える必要があるでしょう。ここで「持参」とか「郵送」とかやってしまうと本末転倒です。
しかし、この「ストレーミングではない方法」が一番コストがかからない方法かもしれません。精査する必要はありますが、1つの方法として検討できうるものでしょう。
まとめ
選択登校制という仕組みが実際に日本でも動き出したことは、とても大きなことだと感じています。
現代社会において、多くの多様性が認められるような動きになってきています。教育を施す、または受ける方法も同様に多様性が認められるべきであり、「教育を受けたい」「学習を進めたい」という気持ちは年齢を問わず、社会から尊重されるべきです。
そういった多様な社会構造を実現する上で、小学校などでの教育において、選択登校制というものの導入が必ず一助となることでしょう。